2019年度協会活動(本年度事業計画書)

我が国の経済は、本年度10月に消費税率の引き上げが予定されている中、経済の回復基調を持続するための予算措置や各種政策によって、内需を中心に堅調な景気回復が見込まれるが、通商問題が世界経済に与える影響や金融資本市場の変動の影響など、先行きには不確実なものがある。

建設業界においては、2019年度の公共事業予算では、国全体で前年度を大幅に上回る6兆9,099億円(前年度比15.6%増)が確保されるとともに、「防災・減災、国土強靭化3ヵ年緊急対策」の関連事業1兆3,475億円が盛り込まれた。また、民間建設投資も全体としては堅調に推移するものと期待されている。

一方で、投資の偏りによる首都圏と地方圏との事業量の地域間格差や大企業と中小企業との企業間格差は顕在化・拡大化傾向にあり、地場建設業は依然厳しい状況にある。国土強靭化3ヵ年緊急対策等によって一時的に事業量が確保される可能性はあるが、中長期的な建設投資の見通しは立っておらず、多くの地域建設業は、将来に向けた設備投資や人材確保に慎重にならざるを得ない状況にある。

加えて、本年4月からは、働き方改革関連法が施行され、建設業については5年間の猶予期間が設けられているものの、長時間労働の是正への対応は待ったなしの状況にあり、また将来に向けた担い手を確保していくためにも、週休2日制の導入など労働環境の改善は喫緊の重要課題となっている。

私たち地域建設業が、近年激甚化・頻発化する災害から地域住民を守り、安全な生活基盤の確保と地域経済活動の基となる社会資本の整備や維持管理など、社会的役割を果たしていくには、経営基盤の強化、経営の安定化を図ることこそが、必要不可分の命題であり、そのためには、公共投資の安定的・長期的な確保と、品確法に謳われた適正利潤の確保がさらに重要になってくる。

このような現状を踏まえて、本会の2019年度事業活動は、魅力ある建設産業の再構築と地場建設業の活性化のため、行政及び関係団体と連携を図りながら次の事業計画に基づき推進することとする。

【1】事業計画

1.社会資本整備の計画的推進のための安定的な公共事業予算の確保と災害に強い国土づくり

(1) 公共事業予算の持続的・安定的な確保と被災地の復旧・復興、防災・減災対策の推進

激甚化・頻発化する自然災害や切迫する巨大地震への備え、急速に老朽化するインフラの整備など、地域住民の財産と安全を守り、将来に備えた災害に強い国土づくりが求められる中、地場建設業が担い手を確保し、生産性の向上を図るとともに地域の安全・安心の守り手として社会的使命を果たしていくためには、安定した経営環境を確保することが最も重要となってくる。

このため、引き続き、全国建設業協会を始め関係団体と連携し、あらゆる機会をとらえ、公共事業予算の安定的な確保と社会資本整備の計画的推進について、国・県等関係機関に提言・要望活動を行う。

(2) 防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策への対応

昨年末政府において決定された「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」について、被災地への早期復旧・復興のための予算確保、併せて地方への重点的な配分と地域建設企業への発注、また入札にあたっては、地域の実情を踏まえた不調・不落が起こらないよう適切なロッドの設定や発注・施工時期等を求めていく。

(3) 意見交換会の開催と提言活動の推進

今年度は、昨年度に引き続き地域建設業界の喫緊の課題や国・県などの政策課題等について積極的に意見交換会を開催し、直面する諸課題の解決に取り組む他、建築工事積算基準の改定を強く要望する。

2019年度実施する事業計画(意見交換会・会議)
 ~継続的事業

(1) 当会が主催する意見交換会
  ①九州地方整備局と福岡県建設業協会との意見交換会
  ②福岡県建築都市部と福岡県建設業協会との意見交換会

(2) 全国建設業協会・九州建設業協会の委員会や会議への参画
  ①全国建設業協会 委員会
  ②九州建設業協会 定例懇談会
  ③九州建設業協会 地域懇談会

2.地域社会を支える建設業の経営基盤の強化と健全な発展への対応

(1) 品確法及びその運用指針等の更なる徹底

① 建設企業の経営に関する各種施策等への対応
 地域を支える建設業にとって経営の健全化は最重要課題である。改正品確法に基づく適正利潤の確保をさらに徹底するため、広く地方公共団体、市町村等における遵守状況の調査・分析等を行い、その結果をもとに入札契約制度や積算基準等について提言・要望を行う。

(2)建設生産システムの高度化に向けた対応

① 生産性向上に関する諸問題への取組
 建設業におけるICT技術の活用等、国土交通省が推進しているi-Constructionを始めとした建設産業効率化の向上のための施策や、ICT施工の普及に向けて国などが実施する支援方策等について、情報収集・研究を深め、会員企業への情報提供とともに、関係機関に対して改善要望を行う。
 特にBIMについては、国土交通省が営繕工事の更なる生産性向上に向け、昨年度から施工BIMの試行を開始しており、今後、会員へ迅速に情報提供が出来るよう、動向を注視し情報収集を行う。

② 建設技術者の技術力等の確保と維持向上等に関する取組
 会員企業技術者の自己研鑽・技術力向上のための諸方策について検討するとともに、体系だったCPD、CPDS認定取得機会の構築と講習会等の開催を行う。

2019年度実施する事業計画(講習会・研究会)
 ~継続的事業

①建築委員会関係・・・2回開催
  ②土木・道路委員会関係・・・2回開催
  ③各支部から独自の意見を吸上げて開催する講習会(随時)
  ④ICT研究会(ICT現場見学会等への参画)

(3) 公共調達制度改革への対応

① 社会資本の維持管理分野等に関する取組
 急速に老朽化が進む社会資本の大更新時代を迎え、安心・安全な暮らしを確保するうえで、今後、維持・管理分野への重点投資が見込まれることから、社会資本の老朽化対策等に関する工法・知見の活用、地域建設企業の役割、施策の動向等について情報収集・分析を行うとともに、関係機関に対し提言・要望を行い、同分野で会員企業が活躍できる環境整備に取り組む。

② 入札契約・総合評価等の改善に関する提言・要望
 多様な入札契約方式の活用や中長期的な工事の品質確保、受注者の業務効率化・高度化等の課題に対応するための施策、発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方など、各発注者の取組・実施状況を確認するとともに、これに対応した提言・要望を、全国建設業協会を通じて行う。
 また、発注者のマンパワー不足、地域の維持管理体制への懸念、発注者の負担増大等の課題に対応するため、全国建設業協会を通じて提言・要望を行う。

2019年度実施する事業計画(情報収集・分析)
 ~継続的事業

(1) 九州建設業協会委員会への参画
  ①九州建設業協会建築委員会・・・2回参画
  ②九州建設業協会土木委員会・・・2回参画

(2) 改正品確法の運用指針に定められた事項について、発注者の運用状況、受注工事における収益性等について、情報収集及び分析

(4) 建設副産物、環境関係法令への対応

国が定めた「建設リサイクル推進計画2014」の策定を受けて、建設企業がより一層高い意識を持って取り組めるよう、情報収集と会員企業への情報提供を行うとともに、環境関連法令等に対する情報収集に努め、必要に応じて関係機関に対して、提言・要望を行う。

3.建設業の担い手確保と労働災害防止対策の推進

(1) 地域建設業の働き方改革による将来の担い手確保・育成

① 魅力ある職場づくりによる人材確保への取組み
 将来の担い手となる若年労働者の入職促進・定着、また高齢者・女性・外国人労働者など多様な人材の活躍機会拡大を図るため、政府が進める働き方改革等を踏まえ、労働環境や処遇の改善に積極的に取組み、あわせて、地域建設企業が適正に事業を継続しながら改善への取組みが実現できるよう、事業の発注方法や法制度等について研究・検討を行う。
 また、建設業の担い手の確保、育成のため発注や施工時期の平準化、週休二日制の確保を強く要望していく。
 更に、建設技能労働者の技能・経験に応じた適切な評価・処遇の実現と現場管理の効率化を目的とした「建設キャリアアップシステム」について、われわれ地域建設業が参加しやすい環境整備を求めていく等、適時適切に必要な要望を行う。

2019年度実施する事業計画(担い手育成事業)
 ~継続的事業

(1) 当会が主催する会議・事業
  ①福岡県建設人材対策協議会会議
  ②新入社員研修
  ③高校生及び現場関係者親子の現場見学会
  ④女性活躍研究会

(2) 九州建設業協会委員会への参画
  ①九州建設業協会労務対策委員会

(3) 関係機関主催の会議・事業への参画
  ①福岡県建設雇用改善推進対策会議

(4) 建設キャリアップシステムへの対応

② 建設労働者の福祉向上への取組
 全国建設業協会が進める「休日月イチプラス運動」、「社会保険加入の徹底」、「設計労務単価引上げアップ宣言」等の活動に協調し労働環境の改善を進めるとともに、休日確保や若手従業員獲得などの成功例や解決策等事例を収集し、会員企業に情報を提供する。

(2) 労働安全衛生対策の推進

労働安全衛生法に基づく対策を周知・徹底し、労働災害の防止に努めるとともに、建災防等団体との連携を密にし、諸事業の実施に関する情報収集に努め、会員企業に提供する。

4.建設業における社会的責任への対応

(1) 行動憲章に基づくコンプライアンスの徹底

暴力団排除条例の全国施行、品確法の改正等を踏まえて改定された「建設企業(団体)行動憲章」(全建作成分)について会員企業に周知し、建設企業のコンプライアンスのさらなる徹底に取り組む。

(2) 建設業における社会貢献活動の推進

当協会の社会的貢献活動の充実を図るとともに、建設業が国民・社会から正しい理解が得られるよう啓蒙活動等に努める。

2019年度実施する事業計画(社会貢献活動)
 ~継続的事業

①勤マルの日活動(地域清掃活動)
  ②献血活動
  ③緊急災害支援活動

(3) 災害対応に係る体制の整備

近年激甚化・頻発化する災害に対し、地域の防災・減災対策、災害対応等を担う建設業界として災害予防や応急復旧活動について関係行政機関と連携強化を図る。

また、福岡県との防災協定に基づく対応を強化する他、災害対策基本法に定める「指定公共機関」に指定された全国建設業協会の会員として防災業務計画に基づき災害対応に係る必要な体制構築に向け研究を行う。

2019年度実施する事業計画(防災活動)
 ~継続的事業

①防災研究会
  ②福岡県建築物災害対策協議会

5.戦略的な広報活動の推進

建設業の果たす役割や必要性について、国民・社会から正しく理解され、若者が夢を以て将来を託せる魅力ある産業とするため、建設業界の実態や主張を効果的に発信し、積極的な広報活動を行う。

本会ホームページや広報紙「ひと・まち・ふくおか」を活用し、建設業の社会的使命・業績並びにその魅力を伝える。

2019年度実施する事業計画(広報活動)
~継続的事業

①広報紙「ひと・まち・ふくおか」の発刊・・・年3回
  ②ホームページの活用
  ③建設関連団体合同 新年賀詞交歓会

【2】関連事業計画

1.関係各官公署との連絡協議

2.全建・九州ブロック並びに各都道府県との連絡協議

3.会員所在各市との連絡協議

4.各地区会員との連絡協議並びに活動援助

5.建設関係功労者表彰候補者、全建表彰候補者の推薦並びに協会表彰の実施

6.事務局の事務合理化

7.建退共福岡県支部に対する業務援助

8.関係団体に対する協力援助
 ・福岡県建設関連産業協議会
 ・西日本建設業保証(株)
 ・(公財)建設業福祉共済団
 ・(一財)建設業振興基金

9.各種関係団体並びに報道関係者との連絡協議

10. 全建・九州ブロックと緊密な連携による施策の推進

11.その他本会の目的を達成するに必要な事業

◎上記事業計画推進のための必要な調査・視察等の実施、法令の制定・改正に伴う説明会、各種講習会等を開催(支援)する。