平成30年度協会活動(本年度事業計画書)

我が国の経済は、海外経済、特に米国経済の好調さに支えられて、雇用・所得環境の改善が続き、経済の好循環がさらに進むものと期待されている。
しかしながら、昨年にも増して米国・ヨーロッパの政治的不安定性に加え海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、我が国を取り巻く世界情勢の変動は不透明感を増している。

一方、建設業界においては、平成30年度の公共事業予算は、国全体で5兆9,739億円と微増ながら6年連続の増額を堅持し、一定の評価はできるものの建設投資の偏りにより、大都市圏の建設業界と公共投資が減少している地場建設業界とでは事業量の格差が顕在化・拡大化しており、地場建設業は依然として厳しい状況にある。

この様な状況下にあって、平成29年九州北部豪雨の例を上げるまでもなく、地域住民の安全な生活基盤の確保と地域経済活動の基となる、社会資本の整備や維持管理は建設業界にとって必須の課題であり、そのためには地域建設業界の経営基盤の強化、経営の安定化を図ることこそが、地域の安全・安心の守り手として地域とともに社会的役割を果たしていく為の必要不可分の命題である。そのためには、公共投資の安定的・長期的な確保と、品確法に謳われた適正利潤の確保がさらに重要になってくる。

また、国土交通省が推進するi-Constructionについては、建設現場の生産性2割向上を目指し、様々な取組をさらに強化することとしており、地場建設業としても生産年齢人口の減少に伴う、担い手の確保・育成という課題解決へ向け大きな改革を進める必要性がある。加えて建設産業の担い手確保・育成に向けては、長時間労働の是正や週休2日制の導入など政府を挙げて取り組んでいる働き方改革への対応も喫緊の課題となっている。

しかしながら、これら効率化・働き方改革への対応には少なからず投資が必要となり、地場建設業にとってはさらなる研究が必要となる。
このような現状を踏まえて、本会の平成30年度事業活動は、魅力ある建設産業の再構築と地場建設業の活性化のため、行政及び関係団体と連携を図りながら次の事業計画に基づき推進することとする。

【1】事業計画

1.社会資本整備の計画的推進のための安定的な公共事業予算の確保と災害に強い国土づくり

(1)公共事業予算の持続的・安定的な確保と被災地の復旧・復興、防災・減災対策の 推進

平成30年度の国の公共事業関係費は、国全体で5兆9,739億円と微増ながら、6年連続の増額を堅持した。
しかしながら、建設投資の地域間格差や大手と中小の企業間格差が拡大する中にあって、担い手の確保の観点から取り組む必要性がある生産性の向上・働き方改革には投資という大きな問題を抱えており、公共投資が減少している地場建設業は依然として厳しい状況にある。
加えて、急速に老朽化するインフラ、切迫する巨大地震等に地場建設業界がいかに対応できるのかが喫緊の課題となっている。
そのような中にあって、地域住民の財産と安全を守り、将来に備えた災害に強い国土づくりの為にも地場建設業界が安定した経営環境を確保することこそが最も重要になってくる。
このため、引き続き、全国建設業協会を始め関係団体と連携し、あらゆる機会をとらえ、公共事業予算の安定的な確保と社会資本整備の計画的推進について、国・県等関係機関に提言・要望活動を行う。

(2)意見交換会の開催と提言活動の推進

今年度は、昨年度に引き続き地域建設業界の喫緊の課題や国・県などの政策課題等について積極的に意見交換会を開催し、直面する諸課題の解決に取り組む他、建築工事積算基準の改定を強く要望する。

平成30年度実施する事業計画(意見交換会・会議)
~継続的事業
(1)当会が主催する意見交換会
  ①九州地方整備局と福岡県建設業協会との意見交換会
  ②福岡県建築都市部と福岡県建設業協会との意見交換会 

(2)全国建設業協会・九州建設業協会の委員会や会議への参画
  ①全国建設業協会 委員会
  ②九州建設業協会 定例懇談会
  ③九州建設業協会 地域懇談会

(3)関係機関主催会議への参画
  ①九州地区建設物価懇談会 

2.地域社会を支える建設業の経営基盤の強化と健全な発展への対応

(1)品確法及びその運用指針等の更なる徹底

① 建設企業の経営に関する各種施策等への対応
地域を支える建設業にとって経営の健全化は最重要課題である。改正品確法に基づく適正利潤の確保をさらに徹底するため、広く地方公共団体、市町村等における遵守状況の調査・分析等を行い、その結果をもとに入札契約制度や積算基準等について提言・要望を行う。

(2)建設生産システムの高度化に向けた対応

① 生産性向上に関する諸問題への取組
建設業におけるICT技術の活用等、国土交通省が推進しているi-Constructionを始めとした建設産業効率化の向上のための施策や、プレキャスト化等による規格の標準化など建設産業の生産性向上への施策が飛躍的に拡大することが考えられるため、これらに関する情報収集・研究を深め、会員企業への情報提供とともに、関係機関に対して改善要望を行う。
また、BIMについて、活用状況等情報を収集し、必要に応じ会員企業に情報提供する。

② 建設技術者の技術力等の確保と維持向上等に関する取組
会員企業技術者の自己研鑽・技術力向上のための諸方策について検討するとともに、体系だったCPD、CPDS認定取得機会の構築と講習会等の開催を行う。

平成30年度実施する事業計画(講習会・研究会)
~継続的事業
①建築委員会関係・・・2回開催
②土木・道路委員会関係・・・2回開催
③各支部から独自の意見を吸上げて開催する講習会(随時)
④ICT研究会

(3)公共調達制度改革への対応

① 社会資本の維持管理分野等に関する取組
急速に老朽化が進む社会資本の大更新時代を迎え、安心・安全な暮らしを確保するうえで、今後、維持・管理分野への重点投資が見込まれることから、社会資本の老朽化対策等に関する工法・知見の活用、地域建設企業の役割、施策の動向等について情報収集・分析を行うとともに、関係機関に対し提言・要望を行い、同分野で会員企業が活躍できる環境整備に取り組む。

② 入札契約・総合評価等の改善に関する提言・要望
多様な入札契約方式の活用や中長期的な工事の品質確保、受注者の業務効率化・高度化等の課題に対応するための施策、発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方など、各発注者の取組・実施状況を確認するとともに、これに対応した提言・要望を、全国建設業協会を通じて行う。
また、発注者のマンパワー不足、地域の維持管理体制への懸念、発注者の負担増大等の課題に対応するため、全国建設業協会を通じて提言・要望を行う。

平成30年度実施する事業計画(情報収集・分析)
~継続的事業
(1)九州建設業協会委員会への参画
①九州建設業協会建築委員会・・・2回参画
②九州建設業協会土木委員会・・・2回参画

(2)改正品確法の運用指針に定められた事項について、発注者の運用状況、受注工事における収益性等について、情報収集及び分析

(4)建設副産物、環境関係法令への対応

国が定めた「建設リサイクル推進計画2014」の策定を受けて、建設企業がより一層高い意識を持って取り組めるよう、情報収集と会員企業への情報提供を行うとともに、環境関連法令等に対する情報収集に努め、必要に応じて関係機関に対して、提言・要望を行う。

3.建設業の担い手確保と労働災害防止対策の推進

(1)地域建設業の働き方改革による将来の担い手確保・育成

①人材確保対策への取組み
将来の地域建設産業の担い手確保・育成のため、昨年9月に(一社)全国建設業協会が策定した「働き方改革行動憲章」に基づき、労働者の健康確保、ワークライフバランスの改善等に積極的に取組み、あわせて、地域建設業がきちんと事業を継続しながら改善への取組みが実現できるよう、適正利潤の確保(適正価格・工期による受注の徹底)に努めていく。
また、本年度から運用が開始される「建設キャリアアップシステム」については、技能者の自己啓発意欲の喚起や生涯を通じた効果的なキャリアパス形成につながるようスムーズな業務運営に努め、一方で実務上発生する問題については適切な改善を求めていく。

平成30年度実施する事業計画(担い手育成事業)
~継続的事業
(1)当会が主催する会議・事業
①雇用改善推進委員会
②福岡県建設人材対策協議会
③新入社員研修
④高校生及び現場関係者親子の現場見学会
⑤女性活躍研究会

(2)九州建設業協会委員会への参画
①九州建設業協会労務対策委員会

(3)関係機関主催の会議・事業への参画
①福岡県建設雇用改善推進対策会議
②福岡県産業教育振興会 高等学校職業教育技術認定事業 

~新規取組
①建設キャリアアップシステム受付窓口業務

  
② 建設労働者の福祉向上への取組
社会保険未加入対策について、「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」に基づき、社会保険への加入促進を図るほか、賃金、休暇等、建設労働者の労働環境の改善に資するため、会員企業に対し、「建設労働者確保育成助成金」等の各種支援策の活用に関する情報を提供する。

(2)労働安全衛生対策の推進

労働安全衛生法に基づく対策を周知・徹底し、労働災害の防止に努めるとともに、建災防等団体との連携を密にし、諸事業の実施に関する情報収集に努め、会員企業に提供する。

4.建設業における社会的責任への対応

(1) 行動憲章に基づくコンプライアンスの徹底

暴力団排除条例の全国施行、品確法の改正等を踏まえて改定された「建設企業(団体)行動憲章」(全建作成分)について会員企業に周知し、建設企業のコンプライアンスのさらなる徹底に取り組む。 

(2) 建設業における社会貢献活動の推進

当協会の社会的貢献活動の充実を図るとともに、建設業が国民・社会から正しい理解が得られるよう啓蒙活動等に努める。

平成30年度実施する事業計画(社会貢献活動)
~継続的事業
①勤マルの日活動(地域清掃活動)
②献血活動
③緊急災害支援活動

  (3) 災害対応に係る体制の整備

平成29年九州北部豪雨など記録的な豪雨災害等の大規模災害が頻発する中、防災・減災対策、災害対応等を担う建設業界として災害予防や応急復旧活動について関係行政機関と連携強化を図る。

また、福岡県との防災協定に基づく対応を強化する他、災害対策基本法に定める「指定公共機関」に指定された全国建設業協会の会員として防災業務計画に基づき災害対応に係る必要な体制構築に向け研究を行う。

平成30年度実施する事業計画(防災活動)
~継続的事業
①防災研究会

5.戦略的な広報活動の推進

建設業の果たす役割や必要性について、国民・社会から正しく理解され、若者が夢を以て将来を託せる魅力ある産業とするため、建設業界の実態や主張を効果的に発信し、積極的な広報活動を行う。

本会ホームページや広報紙「ひと・まち・ふくおか」を活用し、建設業の社会的使命・業績並びにその魅力を伝える。

平成30年度実施する事業計画(広報活動)
~継続的事業
①広報紙「ひと・まち・ふくおか」の発刊・・・年3回
(編集:広報小委員会)
②ホームページの活用
③建設関連団体合同 新年賀詞交歓会

【2】委員会・研究会組織


【3】関連事業計画

1.関係各官公署との連絡協議

2.全建・九州ブロック並びに各都道府県との連絡協議

3.会員所在各市との連絡協議

4.各地区会員との連絡協議並びに活動援助

5.建設関係功労者表彰候補者、全建表彰候補者の推薦並びに協会表彰の実施

6.事務局の事務合理化

7.建退共福岡県支部に対する業務援助

8.関係団体に対する協力援助
・福岡県建設関連産業協議会
・西日本建設業保証㈱
・(公財)建設業福祉共済団
・(一財)建設業振興基金

9.各種関係団体並びに報道関係者との連絡協議

10. 全建・九州ブロックと緊密な連携による施策の推進

11.その他本会の目的を達成するに必要な事業

◎上記事業計画推進のための必要な調査・視察等の実施、法令の制定・改正に伴う説明会、各種講習会等を開催(支援)する。