2024年度は、4月から時間外労働の上限規制が建設業にも適用され、官民一体となり働き方改革や生産性向上への取組が進展した。また、6月には建設業がその役割を果たし続けられるよう、担い手確保・生産性向上・地域における対応能力強化を目的とした第三次・担い手3法が成立するなど、建設業界を取り巻く環境が大きく変化し、従来から課題となっている若年者の人材確保については、新4Kの実現が加速し好転が期待できる契機の年となった。
また、能登半島地震や日向灘地震、異常気象による豪雨や台風など大規模災害が全国で発生し、土砂崩れや河川の氾濫等により多くの国民の生命・財産に甚大な被害をもたらした。自然災害の激甚化・頻発化の傾向は顕著であり、さらに切迫する南海トラフ巨大地震等へ対応するため、防災・減災、国土強靭化が再認識された。
地域建設業は、災害に強い強靭な国土づくりや人々が安全・安心に暮らせる社会資本の整備を担うのみならず、災害発生時には最前線で災害対応を担う「地域の守り手」であると同時に、地域経済と雇用の下支えをする地域の基幹産業として重要な役割を担っているが、公共建設投資の横ばいが続く中で、資機材価格の高騰や人件費上昇により実質投資が減少するなど、その経営環境は厳しさを増している。
このような状況において、私たち地域建設業がその社会的使命を持続的に果たしていくためには、公共事業等による安定的・持続的な事業量の確保、処遇改善、働き方改革等による担い手の確保、経営基盤の確立など、様々な課題を克服し、建設業を魅力ある産業としていかなければならない。
福岡県建設業協会は、引き続き諸課題の解決に向け、2025年度事業計画を策定し、魅力ある建設産業の再構築と地場建設業の発展に向け、行政及び関係団体と連携を図り、事業活動を展開することとする。
地域建設企業が担い手を確保し、生産性の向上を図るとともに地域の安全・安心の守り手として社会的使命を果たしていくためには、安定した経営環境を確保することが重要なことから、全国建設業協会等関係団体と連携し、あらゆる機会をとらえ、公共事業予算の安定的な確保と社会資本整備の計画的推進について、国・県等関係機関に提言・要望活動を行う。
気候変動の影響により激甚化・頻発化する自然災害から国民を守るため、また公共事業予算の安定的な確保のため、全国建設業協会等関係団体と連携し、受発注者間の意思疎通を図り、不要な不調・不落の発生を防止する等、公共事業の円滑な施工の推進に取り組む。
2025年度実施する事業
①九州地方整備局との意見交換会の開催
②福岡県(建設工事関係部)との意見交換会の開催
③九州建設業協会地域・定例懇談会への参画
第三次・担い手3法(品確法、建設業法、入契法)の適切な運用のため、全国建設業協会と協調して発注者等における運用状況を調査し、会員企業へ情報提供を行うとともに、調査結果を踏まえ必要に応じ提言・要望を行う。
また、地方公共団体や市町村における最低制限価格制度・低入札価格調査制度の運用について、適切な運用がなされるよう働きかけを行うとともに、公契連モデル上限枠の引き上げや計算式・率の見直しについても提言・要望を行う。
民間工事については、発注者が原価に満たない金額での契約や「工期に関する基準」(中建審)に基づく適正な工期を確保していない契約を行うことがないよう、実情の把握に努め、建設Gメンその他関係機関に指導を求めるとともに、実態の改善に向けた提言・要望を行う。
公共工事における建設資材の直近実勢価格の予定価格への反映、スライド条項や設計変更の適時・適切な実施について、提言・要望を行う。特に民間工事については、契約後に労務費、資材価格が上昇した場合の円滑な価格変更協議のため、これらの運用状況等に関する情報収集に努め、建設Gメンその他関係機関に指導を求めるとともに、課題解決に向けて提言・要望を行う。
① 生産性向上に関する諸問題への取組
国の施策によりDX(デジタルトランスフォーメーション)やi-Constructionの取組が加速する中、ICT施工、BIM/CIM、遠隔臨場、工事情報共有システム(ASP)などインフラ分野のDXや建設ディレクターの活用などの生産性向上策に関する情報について、収集・研究を深め、会員企業への情報提供を行う。
② 建設技術者の技術力向上
会員企業技術者の自己研鑽・技術力向上のための諸方策について検討するとともに、体系だったCPD、CPDSの単位取得機会を構築する。
2025年度実施する事業
①九州建設業協会建築委員会への参画
②九州建設業協会土木委員会への参画
③発注関係事務の運用状況等について、全国建設業協会と協調し情報収集・分析を行う
④建築委員会の開催と建築関係講習会の開催
⑤土木・道路委員会の開催と土木関係講習会の開催
⑥各支部から独自の意見を吸上げて開催する講習会の開催
将来の担い手となる若年労働者の入職促進・定着、また高齢者・女性・外国人労働者など多様な人材の活躍機会拡大を図るため、政府が進める働き方改革等を踏まえ、労働環境や処遇の改善に取組む。
① 建設技能者・技術者等の処遇改善に向けた取組の推進
建設技能者・技術者等の賃金引上げを通じた処遇改善に向け、全国建設業協会等関係団体と連携し、来年以降も設計労務単価の更なる引き上げ、技術者等の賃上げのため積算基準における一般管理費及び現場管理費の引上げ等について、提言・要望を行う。
② 働き方改革の着実な進展に向けた取り組み
全国建設業協会が進める「週休2日+360時間運動」、「適正工期見積運動」、「目指せ!建設現場の土日一斉閉所運動」等の活動に協調し、労働環境の改善を進めるとともに、休日確保や若手従業員獲得などの成功例や解決策等事例を収集し、会員企業に情報を提供する。また、休日が増えても技能者の減収にならないよう、休日分を補う労務単価の増額や補正係数の引上げ等必要な措置について提言・要望を行う。
③ 若年者の人材確保に向けた取り組み
学校関係者との連携・協力体制を強化し、インターンシップや現場見学等現地学習の機会拡大を図ることにより、生徒たちへ建設産業の魅力を伝えるとともに、学校と会員企業間で就職・採用について、情報の共有化を進める。また、Uターン・Iターンの建設業への就職希望者について、会員企業の採用機会が拡大するよう、その方法やシステムを研究する。
④ 建設キャリアアップシステムへの対応
全国建設業協会の「地域ぐるみCCUS普及促進プロジェクト」に参画・協調し普及促進に取り組むとともに、人材確保等支援助成金(厚生労働省)等について、周知・活用促進を図る。
⑤ 外国人就労への対応
会員企業において、高度人材をはじめとする特定技能外国人の採用活動が円滑に進められるよう、必要な情報を提供する。
⑥ 女性の定着促進に向けた環境整備
建設業で働くすべての女性が、働き甲斐と働きやすさの両立により、就業継続の実現に向けた情報発信を行うとともに、働き続けられるための環境整備に取り組む。
⑦ 高齢者・障がい者の更なる活躍に向けた環境整備
高齢者・障がい者の更なる活躍に向け、短時間勤務等の雇用形態の多様化をはじめとする雇用管理制度の改善などの取り組みや好事例など、会員企業に情報を提供する。
労働安全衛生法に基づく対策を周知・徹底し、労働災害の防止に努めるとともに、建災防等団体との連携を密にし、諸事業の実施に関する情報収集に努め、会員企業に提供する。
2025年度実施する事業
①新入社員研修の開催
②福岡県工業高等学校長協会との意見交換会の開催
③高校生の現場見学会の開催
④高校教員の現場見学会の開催
⑤労務委員会の開催
⑥女性活躍研究会の開催
⑦九州建設業協会労務対策委員会への参画
⑧福岡県建設雇用改善推進対策会議への参画
⑨全国建設業協会委員会(労働委員会)への参画
⑩建設キャリアアップシステムへの対応
社会的責任を果たし、コンプライアンスに則った事業活動を行うため、「建設企業(団体)行動憲章」(全建作成分)の周知を会員企業に図るとともに、建設業適正取引推進機構や全国建設業協会と連携し、必要に応じ研修会等を開催する。
当協会の社会的貢献活動の充実を図るとともに、建設業が国民・社会から正しい理解が得られるよう啓蒙活動等に努める。
地域建設業SDGs経営指針(全建作成)に基づき、会員企業におけるSDGsの理解促進と取組への意識醸成を図る。
近年激甚化・頻発化する災害に対し、地域の防災・減災対策、災害対応等を担う建設業界として災害予防や応急復旧活動について関係行政機関と連携強化を図る。
また、福岡県との防災協定に基づく対応を強化する他、災害対策基本法に定める「指定公共機関」に指定された全国建設業協会の会員として防災業務計画に基づき災害対応に係る必要な体制構築に向け研究を行う。
2025年度実施する事業
①献血活動の実施
②緊急災害支援活動(ブルーシート・土嚢袋の無償配布)の実施
③福岡県建築物災害対策協議会への参画
建設業の果たす役割や必要性について、国民・社会から正しく理解され、若者が夢を以て将来を託せる魅力ある産業とするため、建設業界の実態や主張を効果的に発信し、積極的な広報活動を行う。
2025年度実施する事業計画
①広報紙「ひと・まち・ふくおか」の作成・発行
②ホームページの活用
③建設関連団体合同新年賀詞交歓会の開催
④福岡県建設産業魅力発信・女性活躍実行委員会への参画
⑤福岡地区土木の日実行委員会への参画
1.関係各官公署との連絡協議
2.全建・九州ブロック並びに各都道府県との連絡協議
3.会員所在各市との連絡協議
4.各地区会員との連絡協議並びに活動援助
5.建設関係功労者表彰候補者、全建表彰候補者の推薦並びに協会表彰の実施
6.事務局の事務合理化
7.建退共福岡県支部に対する業務援助
8.関係団体に対する協力援助
・福岡県建設関連産業協議会
・西日本建設業保証(株)
・(公財)建設業福祉共済団
・(一財)建設業振興基金
9.各種関係団体並びに報道関係者との連絡協議
10. 全建・九州ブロックと緊密な連携による施策の推進
11.その他本会の目的を達成するに必要な事業
◎上記事業計画推進のための必要な調査・視察等の実施、法令の制定・改正に伴う説明会、各種講習会等を開催(支援)する。